<金口木舌>ゴーヤーを食卓に


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 直売所で農林高校生が販売したり、観光施設の催しに登場したりと、5月8日は全県でゴーヤーが大忙しだった。飲酒運転根絶作戦でも活躍したほどだ

▼全国区の人気者となったゴーヤーだが、特殊病害虫ウリミバエの根絶や品種改良があってこその成長である。これらによる本土市場への販路拡大、生産量の伸びは「革命」とさえ言われた
▼数字もそれを物語る。1993年、ウリミバエ根絶で県外出荷が解禁されると、90年に68トンだった年間県外出荷量は5年後には14・5倍に跳ね上がった。生産量も急増し、2010年の実績は1980年の倍近い数字となる
▼品種改良も進んだ。92年に県産ゴーヤーで初めて「群星」が誕生し、在来種の倍以上の収穫量につながった。「行政、生産者とも必死だった」。ゴーヤーの日のイベントで聞いた関係者の言葉がうなずける
▼県は、ゴーヤー生産振興計画の中で2016年度の目標を10年度に比べ1・5倍と設定する。作付面積や収量を伸ばす計画で、ウリミバエ根絶を見込んで策定した時以来の内容という
▼一層のブランド化への動きは各地でも見られる。ゴーヤーの里を宣言する名護市中山区は、地元企業と連携して同区産を活用した原液ジュースを開発するなど、6次産業化にも積極的だ。健康長寿の代表銘柄といえるゴーヤーの成長へ期待を込め、まずは食卓に並べたい。