<金口木舌> 次代担う女性就農者


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 先日、県学校農業クラブ連盟のリーダー研修を取材した。高校生らは、地域交流を通して農業の魅力を発信し、地域再生の原動力にしようと訴えていた

 ▼生徒らは自信に満ちていた。中でも女生徒の表情が明るい。担当教師に聞くと、農業系の高校では10年ほど前から男女比率はほぼ同数という。学校活動での行動力は、女生徒に軍配が上がる場面も多いらしい
 ▼女性の農業への意欲は高い。北部地域では就農者の4割近くを女性が占める。そのうちの45歳未満の女性就農者について、県が意向調査をしたところ、共同経営者として農業に関わっていきたいと考えている人が40%もいた。この数値は全国平均の2・7倍だ
 ▼北部地域では、これらの意欲ある女性就農者を後押ししようと6月から勉強会が始まる。県北部農林水産振興センターが初めて取り組む。土壌の話や簿記などの研修で経営能力を磨いてもらう。ただ不安要素もある。従来の研修会で集まりが芳しくなかったのだ
 ▼農業技術を習得するための情報収集をインターネットに頼り、地域での交流の必要性を感じていない人もいるようだ。しかし就農者の育成は、農業振興だけの問題ではない。地域づくりの担い手でもあるからだ
 ▼就農者の地域参画へのきっかけとなる場の創出を自治体に求めたい。人材なくして、地域の明るい未来は望めないのだから。