<金口木舌>会議クッキーのわな


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 ウクライナ危機を受けてロシアのプーチン大統領と対話を重ねるなど、ドイツのメルケル首相が国際社会で存在感を増している

▼サッカーW杯での熱烈な応援ぶりがテレビを通じて世界に流された。ドイツ国内ではそれ以上にダイエットの成功が話題になっている。本人はノーコメントだそうだが、半年弱で10キロは痩せたと評判だ。秘(ひ)訣(けつ)は会議中にテーブルに並ぶクッキーだとか
▼議論好きの国民性からか会議は長い。頭を働かせるにはブドウ糖が必要になる。甘い物をテーブルに並べる習慣はドイツの“国民的文化”とされる。首相は会議中のクッキーを断ったことが減量につながった
▼何気ない習慣も積み重なれば体に影響を及ぼす。沖縄で言えば「カメー、カメー攻撃」もそうだろう。歓待を表してごちそうを勧める。人の善意だから断りにくい。すると、膨れたおなかをさすりながら車に乗る羽目に。かりゆしウエアの下のベルトをこっそり緩める。夜は飲み会。かくして沖縄男性の肥満率は45・2%で全国一と相成る
▼太り過ぎは健康に害を及ぼすだけではない。体格指数(BMI)30以上の人は普通の体格の人より2割ほど医療費が高くなるとの試算もあり、家計をも圧迫する
▼ウチナーンチュも本来の健康長寿を復活させたい。間食の生活習慣を自粛して痩せたドイツの首相を、まずは見習ってみるか。