<金口木舌>市民の目で議員チェックを


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 涙がこんなにも安っぽく感じられたのは初めてだ。政務活動費で不明瞭な出張を繰り返した兵庫県議の釈明会見のことだ。ただ泣き叫ぶだけで釈明にもなっていない

 ▼兵庫県議会に寄せられた苦情の多くは「説明責任を果たせ」という、至極まっとうなもの。温泉地に100回以上も通って領収書もない、内容も言えない、となれば民間企業なら懲戒処分間違いなしだ
 ▼気になって6月30日に公開された沖縄県議会の政務活動費もチェックしてみた。1人年間180万円支給される活動費の7割は人件費や事務所・事務費に使われていた。調査研究費は80万円を最高にゼロの議員も15人いる
 ▼問題は使った額の多寡ではなく、議員の活動にある。課題があるなら現地に足を運び、関係者から意見を聴き取る。そうした活動を基に議会での質問や提言で、どう県の施策に反映させるかが議員の腕の見せどころだ
 ▼県議会のホームページで支出額の一覧を見られるし、各議員の発言も確認できる。県議会事務局ではより詳細な資料も閲覧できる。気になる方はどうぞお確かめあれ
 ▼市民にとって、議員は当選すれば「雲の上の人」というわけではない。1票を投じた私たちには議員の活動を点検する権利がある。県民の代表である議員が沖縄のためにどんな活動をしているのか。目を光らせるのは今からでも遅くない。