<金口木舌>人気職業に「医師」浮上


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 「白い巨搭」「赤ひげ」など、かつてテレビや映画に登場する医師は男性ばかりだった。だが、男性の職業というイメージも今は昔

 ▼第一生命が全国の幼児や小学生らを対象に、将来なりたい職業を聞いた調査で、女子の3位に「お医者さん」が浮上した。1989年の調査開始以来、初めてだ。女性医師を主人公としたテレビドラマが人気だったことも背景にあると分析している
 ▼医学部に入学する女性は年々増え、日本医師会の調べでは、今年、医師国家試験に合格した人のうち女性は3割を占める。2割代だった約20年前に比べて着実に増えている
 ▼一方で、出産・子育てに伴い、離職せざるを得ない女性医師も多い。就業率は30代から8割に減り、35歳前後になると7割台にまで落ち込む。休職・離職理由は「出産」が最多で、子育てが二番手に着いた。女性医師の現場離れは、ひいては医師不足を招く。見過ごせない問題だ
 ▼女性が働き続けられるためには、当直の免除や回数減、子どもを夜間預かる保育所整備のほか、パートナーの協力などが欠かせない。4月、県立の2病院が敷地内に院内保育所を開設した。医師ら職員の子どもを預かり、夜間、子どもを受け入れる日も設けるなど、離職防止が狙いだ
 ▼あす7日は「七夕」。医師を志す女子の夢がかなうよう、官民一体となって環境づくりを進めたい。