<金口木舌> 猛暑を乗り切る工夫


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 日本に住む人が持っている傘は1人当たり平均3・3本で、世界で最も多い。ウェザーニューズがことし6月、世界35カ国で実施した調査でそんな興味深い結果が出た

 ▼その原因は高温多湿の気候だけではない。江戸時代に庶民の間で雨傘が普及した文化的背景も影響していると分析する
 ▼連日青空が広がり、猛暑が続く沖縄では近年、日傘を差して歩く人の姿が目立つようになった。サンエーの那覇メインプレイスの洋品小物コーナー担当者によると、5~10年前に比べ傘の売り上げは増え、中でも日傘の売り上げが全体を押し上げている
 ▼黒、紺など定番の色だけではなく、最近はベージュ色、柄模様、傘袋付きも商品棚に並ぶ。選択の幅は確実に広がっているのだ。2~3年前からは日傘を買い求める男性客も増えているという
 ▼暑さ対策は日傘だけではない。玄関や裏口の前などに水をまく「打ち水」は、先人たちから受け継いできた知恵の一つだ。打ち水の普及活動を行う団体「打ち水大作戦本部」の浅井重範事務局長によると、打ち水をすると、水が気化する際に地面の熱を奪い、気温が2度程度下がるというから驚きだ
 ▼沖縄ならではの対策として、窓辺をゴーヤーの葉や実で覆って日差しを遮るゴーヤーカーテンもある。知恵と工夫を生活の中に取り入れて、楽しみながら猛暑を乗り切りたい。