<金口木舌>よそ者、若者


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 新聞記者1年目のこと。先輩からこんな“格言”をもらった。「役に立つのは現場の他社」

 ▼新人といえど、難しい現場を任されることもある。どう記事にしていいのか迷ったときは「現場にいる他社の記者に、意地もプライドも捨てて教えを請え」。それで危機を乗り切ったこともある。教わったことも数知れない
 ▼現場で知恵を集め、どう局面を打開するか。町づくりでも共通するものがあるようだ。一番街をはじめ沖縄市の各通り会は、にぎわいを取り戻そうと起死回生策に必死だ。その一つ、パルミラ通り会で長丁場の企画が始まった。来年3月いっぱいまでの毎週土曜日、お国自慢の多国籍料理屋台が並ぶ
 ▼開会式典での豊田益市・通り会会長のあいさつが振るっていた。「沖縄市には47カ国の外国人が住む。こういう地域は全国でも類を見ない。コザの良さは外国人と仲良く付き合い続けたこと。これこそが街の資源。中心市街地の活性化を図るため、皆で大切に育てたい」
 ▼銀天街では祭り開催に若者が乗り出した。市の補助金も切れ、危機感を募らせた商店主から声が掛かった。資金集めから舞台設営まで取り組む若者の姿は、生き生きという言葉がぴったり
 ▼行き詰まった状況を打開するには「よそ者」「若者」が力を発揮するといわれる。新たな視点と行動力を取り込んだ街再生への芽吹きにエールを送ろう。