<金口木舌>日米両政府は「学習」せよ


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 「学習」を辞書で引くと「経験によって知識や技能、態度などを習得すること」などとある。今、沖縄では学習した方々と学習していない方が、それぞれ県民を怒らせている

▼悪知恵ながら学習したのは日本政府だ。2004年、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けたボーリング調査に着手しようとしたが、市民の抗議行動で断念した。そこで今回はあらかじめ市民を作業現場から遠ざけようと、周辺を浮標灯(ブイ)で囲んだ
▼一方、学習していないのは、アルフレッド・マグルビー在沖米総領事だ。2012年9月の就任会見で、普天間飛行場に関し「特に危険だという認識はない」などと発言し、県民から批判を受けた
▼にもかかわらず、2年後の12日、面談した海外有識者らに「国家が決めたことだから沖縄はその通りに従わなければならない」などと再び占領意識丸出しの発言を繰り返した。2年間で何を学習してきたのだろう
▼双方に共通するのがマグルビー氏の言う「国の決定には従え」という強権的な姿勢だ。県民を排除して進める辺野古のブイ設置とマグルビー氏の発言が同時期にされたのは象徴的である
▼日米両政府が国策を強行しようとしても、県民は屈しない。屈服を強要する姿勢は植民地の総督と同じで、現代では通用しないということをいい加減、日米両政府は学習するべきだ。