<金口木舌> 若者たちの熱気に学ぶ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 若者たちが躍動した熱い夏が終わりを告げようとしている。インターハイの重量挙げは69キロ級の宮本昌典選手(沖縄工)の独壇場だった。2位に23キロの差をつける圧勝。お家芸の伝統ここにあり。2020年の東京五輪へ期待が膨らむ

 ▼なぎなたはチーム一丸となって戦術を練った沖縄尚学が団体で初優勝した。なぎなたも県連盟を主体に強化を続けたお家芸。世代を超えて強さを継承する取り組みは他の競技の手本にもなる
 ▼圧巻は王国の存在感を示したハンドボールだ。興南高はこの1年無敗で、全国大会3季連続優勝、夏は連覇の偉業を達成した。中学女子の全国大会は港川と神森の県勢が頂上決戦を演じた。王国の土台を支えるのは小学生から選手を育てる浦添市の関係者。熱意が結実した
 ▼もちろん甲子園8強の沖縄尚学も忘れてはいけない。昨秋の神宮大会優勝以来、常に勝利が求められる重圧の中で、力を発揮したナインの健闘をたたえたい
 ▼23日は二十四節気の一つ「処暑」だった。この日を境に暑さも和らぐとされる。スポーツで過熱気味だった日々は終わったが、名護市では新基地建設に異議を申し立てる抗議集会があった
 ▼爽やかな若者の夏は終わっても基地問題など沖縄を覆う暑苦しさは続く。「声を上げても変わらない」と冷めた態度ではいられない。ひたむきな若者と支える人々の熱さ。今こそ、その姿に学びたい。