<金口木舌>実力ある者いつか輝く


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 高校野球はセンバツ出場を懸けた九州大会が終わったが、大学野球は佳境に入る。14日からは各地区のリーグを勝ち抜いたチームが集い、大学王者を決める明治神宮大会が始まる。楽しみなのは県出身選手の活躍だ

▼東北代表の富士大(岩手)は多和田真三郎投手(中部商出)を擁する。地区代表決定シリーズで最優秀投手賞に輝いた。九州代表の九州産業大(福岡)は高良一輝投手(興南出)がいる。準完全試合を達成した代表決定戦(10月26日)は10奪三振と完璧だった
▼優勝争いが激しい東京六大学では、優勝の可能性がある明治大で上原健太投手(あげな中-広島広陵出)が活躍する。190センチの長身から投げ下ろす直球は威力がある
▼3人に共通するのは、甲子園の登板機会がないことだ。多和田投手と上原投手は県予選で敗れた。高良投手は甲子園でベンチ入りしたが、当時はエース島袋洋奨投手がいた
▼負ければ終わりのトーナメントは実力だけでなく運もいる。長期間にわたって競い合うリーグ戦は安定した実力があって通用する世界。3投手はじめ、力のある選手が輝きを増すのは必然だ
▼野球に限らず、人を育てるには活躍できる場がいる。それは甲子園などスポットライトが当たる場所だけではない。誰にでもチャンスが与えられ、自らつかむことができる。3投手の活躍を見て、そんな社会でありたいと願う。