<金口木舌>アイデアで課題解決を


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 2センチ、3センチ、5センチ-。京都大学の生協でのみ売られている「素数ものさし」が人気のようだ。名前の通り、上辺は素数センチ、下辺は素数ミリにしか目盛りがない

 ▼基本的には目盛りの差を使って長さを測るという。どう考えても手間がかかるが、余分な頭を使うことが「面白い」そうだ。アイデアの勝利といえる。はて市販された場合も売れるかどうか
 ▼こちらの商品は大いに売れてほしい。14日から3日間開催された「離島フェア」では魅力的な離島の特産品が並んだ。商品を買ってもらえるようパッケージやネーミングにアイデアを凝らす離島生産者らの努力に頭が下がる
 ▼フェアの「優良特産品」優秀賞を受賞した石垣島物産センターの「石垣島プリン」(じーまみ豆腐)は風船に入っている。つまようじで表面を突くと中身が容器に入る。風船が割れる感触が楽しい
 ▼離島の特産物を広く紹介し地域づくりに役立てるのがフェアの狙いだ。産業振興だけでなく、交通の不便、過疎化など離島が抱える課題は多い。「子どもの支援拡充を」「医師の確保を」。知事選に向け、離島からの切実な訴えや要望を紙面で多く紹介した
 ▼新知事の翁長雄志氏は選挙期間中、寄せられた県民の声をしっかり受け止めてほしい。「素数ものさし」ではないが、しゃくし定規な考えにとらわれないアイデアで県政の課題を解決してほしい。