<金口木舌>憲法、教えんとあかんねん


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 スマホの無料通信アプリ「LINE」ではうちなーぐちスタンプが飛び交う。「ハイサイ」「あきさみよー」などの短い言葉や、「だあるば?」などの若者言葉も

▼うちなーぐちに限らず、お国言葉は標準語では表現しきれない絶妙なニュアンスがあり親しみが湧く。大阪弁を駆使して「憲法」を講義しているのが全日本おばちゃん党代表代行の谷口真由美さんだ
▼憲法11条は「人権ってええもんちゃう?」と呼び掛け、9条は「戦争は棄てましてん」と説明する。集大成の「日本国憲法 大阪おばちゃん語訳」を来月発刊する。難しい暗記ものという憲法のイメージを拭い去る。そんな谷口さんが「ちゃんと教えんとあかんねん、反省しとるわー」という項目は「立憲主義」だ
▼憲法を守るべき存在は誰か。学生は「国民」と答える。正解は「権力」だ。「権力者が勝手気ままに振る舞えないよう枠をはめるのが憲法だ、というのは、今や常識になってへんのよね」
▼安倍政権の2年間は憲法改正への挑戦だ。憲法96条を改正して改憲のハードルを低くしようとした。失敗に終わると憲法解釈を変え、集団的自衛権を行使できるようにした
▼解釈変更をめぐっては「最高責任者は私だ」とも発言した。首相宿願の憲法改正は今衆院選の隠れた争点だ。考える前にまずは親しんでみたい。どなたかうちなーぐちで講義してはもらえないか。