<金口木舌>スポーツ界、輝く言葉


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 スポーツ面にも季節感がある。駅伝やラグビー、バスケットボールが華々しく扱われるこの時期になると、年の終わりを感じる

▼ことしも各競技で県勢の活躍があった。選手らの言葉で1年を振り返ると「感謝」「未来」がキーワードか。全国大会3冠の偉業を達成した興南高ハンドボール部の下地利輝主将は勝因に「多くの人の支え」を常に挙げた
▼とはいえ、選手や指導者の努力は並ではない。世界選手権優勝など1年間個人戦無敗だった空手の喜友名諒選手は「精神面でも技術面でも成長できた」と手応えを語った。世界を舞台に活躍した選手の言葉は力強い
▼柔道の七戸龍選手も国際大会で2冠、世界選手権で個人銀メダル、団体金メダルを獲得した。七戸選手は外国勢にマークされる中で自らを鍛え「まだまだ新しいことができる」と未来への可能性を信じる。リオ、東京と五輪出場に期待が膨らむ
▼世界といえば、ボクシングの具志堅用高さん。日本人選手2人目の国際殿堂入りを果たした。今でこそ「おとぼけキャラ」でおなじみだが、40代以上の人には今もスーパースターだ。世界戦V13など不滅の日本記録は今も輝く
▼その具志堅さんの言葉。「若い子が力を付けて、いつか自分の記録も超えていってもらいたい」。王者の言葉を受け継ぐ若い力が現れるか。新年にはさらなるヒーロー、ヒロインの登場を待ちたい。