<金口木舌>辺野古に「終」の一字を


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 きょうは5日。官公庁や企業の多くが仕事始めとなる。2014年は11月に県知事選、12月に衆議院議員選挙があった。心機一転、新年からの仕事に向き合う人も多いはずだ

 ▼ことしはどういう一年になるだろう。昨年の世相を表す漢字は「税」だった。消費税増税などが理由だが1文字の印象からすると、国民にとって明るい一年ではなかったということか
 ▼一方、日本漢字能力検定協会は昨年末、全国の小学生に募集した「未来」と聞いて思い浮かべる漢字を発表した。1位は「楽」で「明」「夢」と続く。こどもたちが楽しく明るい未来を思い浮かべるのは素晴らしい。夢に終わらせないのは大人の課題だ
 ▼1文字と言えば、年末年始に名護市でともされた光文字が20回目のことしで終わる。北朝鮮の拉致問題を受けた2003年の「絆」、東日本大震災の犠牲者を悼んだ12年の「祈」と世相も反映してきた
 ▼06年は「今生きていることの幸せ」との思いで「幸」。四肢まひの成人が最後の電球を取り付けるなどドラマも生んだ。名残り惜しい気もする
 ▼名護市は米軍普天間飛行場移設問題に揺れ続けた。選挙では「この問題は終わりに」との声を保革問わずよく聞く。だが県民にとって辺野古移設断念でない限り終わらない。昔の邦画ではないが「終」の文字が美しい辺野古の海にさんぜんと輝く日が近いことを願いたい。