琉球新報社 確か閉まるはずだったけど。「閉店セール」ののぼりを目にして後、閉店する様子が一向にない店に首をかしげたことが何度かあった
▼この「なぜ」から行動に移したのが立教大学法学部の学生だ。東京都内で「閉店セール」を掲げた９店舗を調査。うち５店舗が半年間、営業を継続していた
▼学生らは１３日、調査結果を基に消費者庁を訪ね、「今買わないと損だと思わせるのは景品表示法違反だ」とし国の対応を求めた。店舗リニューアルの際、「一時閉店」によるセールを繰り返す場合もあるという
▼閉店しない「閉店セール」に疑問を感じた人は多いだろう。「なぜ」を行動につなげるのは簡単ではない。疑問を疑問のままに終わらせなかった学生らに拍手を送りたい。残念だが客の購買意欲を高めるための商売のうそは存在する
▼近年話題になったのは宣伝と気付かれず行う「ステルスマーケティング」（ステマ）だ。外食をする際、店の評判を書き込むインターネットサイトを参考にする人は多いだろう。好意的な投稿をする代わりに店側から報酬を得ていた「やらせ業者」が問題になった
▼安値だからと大量に買った商品の使い道に困ったことは誰でもあるだろう。「損した」「だまされた」とならないように消費者に求められるのは状況や一方的な評判に惑わされず、本当に必要か見極める冷静な判断だ。
