<金口木舌>身近なもので防災を


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 家の門付近に並べられた水入りのペットボトル。猫が庭でふんするのを防止しようと、猫よけのアイデアとして流行した。ただ、効果が疑わしいという指摘もあり、最近はあまり見られない光景だ

▼軽くて柔軟性があることから活用されるのがペットボトルだ。有名なのがペットボトルで作るロケット。ボトル内に入れた圧縮空気と水を一気に噴出させることで長距離飛行を可能にする。児童の工作の題材としても使われる
▼ペットボトルの活用で人の命が救われた。16日、那覇市内の川に転落した男性が川沿いに設置されたペットボトルの簡易救助器具で助けられた。海上保安庁が2005年に発案したそうだが、1本でもあおむけで抱えれば十分に浮くそうだ
▼考え出したのが県出身男性だったのはうれしい驚きだ。男性は「ペットボトルという簡単なものが重い命を救った」と喜んだが、緊急の際の代用品に身近なものを活用する発想をたたえたい
▼ほかにも代用品としては段ボールとビニールで作る靴やハンガーとアルミホイルで作るフライパンなどがよく知られる。保湿効果のある新聞紙は毛布や防寒着としても利用できるようだ
▼不意に襲ってくるのが事故や災害だ。身を守る道具を自宅にそろえるのも重要だが、いざという時に周りのものの活用法を意識しておくことも命を守るためには必要だろう。