<金口木舌>睡眠の大切さ


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 プロ野球やセンバツ甲子園の開幕が近づき「球春」という言葉がより実感できる季節になった。春の訪れは心浮き立つものがある

 ▼同時に「春眠暁を覚えず」と言うように、暑くもなく寒くもなく心地よさに誘われ、寝過ごして慌てるのもこの季節だ。ここでクイズを一つ。最高は秋田県の8時間2分、全国平均は7時間42分、何の時間?
 ▼総務省が5年ごとに実施する社会生活基本調査(最新は2011年)で分かった国民の睡眠時間だ。東北地方は青森県も8時間と長い傾向にあり、沖縄は全国平均と全く同じだった
 ▼気になるのは睡眠と健康の関係だ。日本睡眠学会によると、睡眠不足はうつ病のリスクを高め、自殺の危険因子といわれる。生活習慣病の要因にもなるとされ、注意が必要だ。まさに睡眠不足は万病の源
 ▼18日は日本睡眠学会などが定めた「春の睡眠の日」。前後1週間は健康睡眠週間と設定されている。体の疲れを癒やすだけでなく、心もリラックスさせてくれる睡眠の大切さを考えるきっかけとしたい
 ▼睡眠中は成長ホルモンが分泌され、成長期の子どもにとっても大事だ。昔の人が「寝る子は育つ」と言ったのは経験上、そうしたことを知っていたのか。夜型社会の沖縄では遅くまで子どもを連れ歩く大人を見かける。子どもの成長と健康に責任を持てるよう、悪い習慣はすぐに断ち切りたい。