<金口木舌>ビッグデータの活用


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 ショッピングの楽しみの一つが購入額に応じてたまるポイント。コンビニやスーパー、ショッピングモールは独自にポイントカードを発行し、顧客の囲い込みに躍起だ。消費社会に操られているようで少々複雑な気分だが、それでもポイントがたまるのはうれしい

▼沖縄本島の路線バスでも利用が始まったIC乗車券オキカは、全国でも珍しいポイント付与制度を導入した。運賃箱の隣の受信機にかざすだけでスムーズに乗降車できる。現在は乗車券の機能だけだが、今後は電子マネーやIDカード(身分証)などの可能性を秘めている
▼電子マネーとなると利用者の利便性だけでなく、誰が何に使ったかという情報を収集、分析することで価値あるビッグデータになる。観光地の沖縄でこれを生かさない手はない
▼県外の観光地では既にビッグデータを活用した取り組みが進んでいる。兵庫県北部の城崎温泉では、携帯電話などを活用したデジタル共通外湯券「ゆめぱ」をはじめ、温泉客の動向把握につなげている
▼政府も動きだしている。ケータイの位置情報などを基に、人の動きを見える化した観光マップ「リーサス」を公表した。今後は外国人観光客の動向把握にもつなげる計画だ
▼もともと何の脈絡もない無造作なデータの集まりから、どんな有効な観光施策がひねり出せるか。沖縄ならではの錬金術に期待したい。