<金口木舌>自転車遊走


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 イヤホンしながらの走行。車の走行車線を車と逆方向に走る。お酒を引っかけた後にちょっと乗って帰る。これらは全て自転車運転の危険行為とされ、繰り返し摘発されると安全講習が義務付けられる

▼自転車運転の取り締まりを強化する改正道路交通法が6月から施行された。それでも街中には逆走やイヤホンしながらの走行など「危険行為」が絶えない。歩行者を危険にさらすだけでなく、自転車運転者自身も大けがをしかねない
▼かつては沖縄の人は自転車に乗らないといわれたものだ。だが最近は街中でも自転車に乗る姿が多く見受けられる。健康志向の高まりも影響しているだろう。日本語学校に留学する東南アジアの学生の足も自転車だ
▼観光客向けのレンタル自転車も広がっているようだ。以前は専門ショップが数えるほどしかなかったが、今は宿泊客に自転車を貸し出しするホテルも出ている。自転車で巡る観光ルートも開拓されており、新たなツールにもなっている
▼海外の観光地を訪れると自転車が利用しやすい環境になっていることに気付く。道路には自転車専用レーンが敷かれ、路線バスの前面には自転車を載せる専用のラックが備え付けられてある
▼ぜひ沖縄でも自転車の利用環境を整えてほしい。歩くのよりは少し速く、自動車よりはゆっくり。そんな絶妙なバランスで人生を楽しみたい。