<金口木舌>例年以上に対策を


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 暦の上では梅雨入りとされる「入梅」の日に、ことし沖縄は梅雨明けした。平年に比べて12日早かったという

▼梅雨入りも平年より遅かったため、梅雨の期間22日は観測史上3番目の短さ。雨の印象のない梅雨だったが、意外にも降水量は沖縄地方5観測地点平均の平年比で112%だった。だが、県内ダムの貯水率は14日現在、63・5%。平年と比べ低いままだ
▼ことし1月1日の貯水率は80%近くあり、昨年やおととしに比べると、10ポイント以上高かった。それから5月末までに30ポイント近く急激に低下。冬場の貯水率が平年通りなら水の心配はさらに増していただろう
▼日中の暑さに対するぼやきも増えたが、気を付けたいのは熱中症対策だ。県保健医療部は12日、熱中症注意報第1号を発表した。第1週(6月1~6日)の患者数は2007年以降最多という
▼日本救急医学会が6月初旬公表した「熱中症診療ガイドライン」によると、熱中症は男性に多い。若年男性はスポーツ、中・壮年の男性は労働中。高齢者は男女問わず日常生活中が多く、屋内でのケースも増えている
▼気候で影響を受けるのは人間だけではない。夏の「涼」に一役買うモズクも15年産は前年比で約3~4割減少するというから心細い。ともあれ、ガイドラインが勧める塩分と水分の両者を適切に含む経口補水液の摂取など、体力を過信しない十分な対策を心掛けたい。