<金口木舌>憲法破壊議員の暴言


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 政治家の問題発言が止まらない。首相の側近中の側近、礒崎陽輔首相補佐官(参院議員)は集団的自衛権行使に絡んで「法的安定性は関係ない」と述べた。謝罪はしたが本心なのだろう

▼3年前には立憲主義という言葉を「聴いたことがない」とのたまった。このお方、東大法学部卒である。昨年の県知事選開票番組では、辺野古を「ベノコ」「ベノコ」と3度も連発した。安全保障担当の首相補佐官である
▼36歳の武藤貴也衆院議員(自民)の発言はヘイトスピーチに類する。安保法案に反対する若者の団体を「『戦争に行きたくない』という極端な利己的考え」と中傷した
▼武藤氏は3年前にブログで憲法の三大原則を「日本精神を破壊するものであり、大きな問題を孕(はら)んだ思想だ」と書いている。今回も「戦後教育のせいだ」と決め付けたが、自身は戦争を正当化する思考をどこで学んだのだろうか
▼伊江島のガンジー、阿波根昌鴻さんはこんな言葉を残した。「戦争は支配者、権力者、財閥とその手先によって準備されます。これらの階級の人々は戦争が起きても、戦場に行って殺したり殺されたりすることはありません」
▼2氏とも前線に送られる心配がないから、若者や母親の不安に共感できず、高みから物を言うのだろう。“安倍チルドレン”にはこうした輩(やから)が多いのか。異論に耳を貸さない親分にも責任はないか。