<金口木舌>ぎらぎらした夏を


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 猛暑日を連日記録する近畿地方で全国高校総体が開催中だ。ある会場では「ただ今38・5度です。熱中症から身を守ってください」との放送も

▼重量挙げでは94キロ級の請舛泰俊(沖縄工)が準優勝した。テニス女子シングルスのリュー理沙マリー(沖尚)は7日の準決勝に勝ち、県勢では20年ぶりの決勝に挑む。西里夏子と組むダブルスも決勝進出を決めた
▼安岡中卒業後、もっと強くなりたいと沖縄を離れて強豪の宮崎第一に進み、空手女子個人形で準優勝した宜保ありさもいた。全国の頂点を目指し「もっと研究していく」と語る表情は輝き、まぶしい
▼談話でよく聞くのは「平常心」についてだ。気持ちの揺れは身体に影響する。いつも通りが一番難しい。心身の揺らぎを抑えるのは練習に裏打ちされた自信だとも。それでも一発勝負の怖さ、まさかの敗退もある
▼なぎなた演技の九州チャンピオン玉那覇紗妃・瀬長桃子(知念)の決勝トーナメント1回戦。自分が失敗して負けたと涙が止まらなかった瀬長は、翌日の団体試合決勝トーナメントで値千金のスネ2本を打ち抜き、8強進出の原動力となる。きりりとした姿が美しい
▼炎天下の競技場で、蒸し風呂のような体育館で高校生が大舞台に挑む。100年目を迎えた夏の甲子園も開幕し、興南初戦もすぐそこだ。高校生のぎらぎらした夏をまだしばらく追い掛けよう。