<金口木舌>強豪の共通項


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 優勝校の選手と接するたびに感じることがある。動きがきびきびしていて、他人に対するあいさつもしっかりできるということだ

 ▼十数年前の運動部時代、中高校生が出場する大会を何度も取材したが、強豪校は振る舞いも立派だと感心することが多かった。優秀な指導者の存在も大きいが、選手の「勝ち」への意識の高さも共通項で、それが振る舞いにも影響しているように感じた
 ▼8月5~7日、北海道で行われた第22回全国高校写真選手権大会で浦添工業が2012年以来3年ぶりに優勝した。同行取材した記者から報告を受けた際、久しぶりに運動部時代に感じたことを思い出した
 ▼浦添工業の女子3選手は期間中、何度も「優勝」を口にした。12年以降も常に上位にいるが今回、王座奪還への覚悟は並々ならぬものだったという。同行記者が感心したエピソードがある
 ▼大会前日、事務局からのカメラ配布前、宿舎に到着後の空いた時間、彼女たちはスマートフォンで撮影を楽しんでいた。最終日の閉会式にも首からカメラを下げて出席した。いずれも浦添工業以外、見られない光景だったという
 ▼本当に写真が好きなのだろう。好きになること、意識を高く持つことは、何も学生時代で終わりではない。日々の仕事にも同様な気持ちで臨むことができれば、生活はさらに潤いあるものになるのではないか。