<金口木舌>台風接近


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 楽しみだったイベントがまた中止になった。台風15号が23日に八重山地方に接近、24日には沖縄本島が暴風に巻き込まれる恐れがある。予定されていた週末の行事は軒並み中止・延期となり、イベント屋泣かせの台風だ

▼ことしは台風の接近が多い印象だが、沖縄気象台によると、どうやらことしが特に多いというわけでもないらしい。気象台は「イベントが取りやめになることが多く、そう感じることが強いのかも」と分析する
▼イベント中止の影響は県民だけにとどまらない。休みを調整してせっかく訪れた観光客も足止めを食う。いきおい屋内施設に人が集まる。雨天時の観光客対策は古くて新しい課題だ
▼県外の友人が7月末に来県した際、ちょうど台風12号の接近と重なりホテルに缶詰めになった。雨でも楽しめる場所を探して中部の大型商業施設を訪れたが、沖縄ならではの催しに触れられず残念がっていた
▼一方で逆に台風接近を歓迎する人もいる。名護市辺野古での新基地建設の作業がストップするためだ。防衛省も自然の力には勝てない
▼台風後のうねりが残る海でも様子を見て泳ぎに出る観光客もいる。台風13号が通過した後の今月10日、宮古島市伊良部の海岸で観光客の家族が波に流され3人が亡くなった。せっかく沖縄に来て海に入れない残念さはよく分かるが、命と引き換えでは割に合わない。