琉球新報社 口を開けて、うつむく。梅干しのにおいを嗅ぐと、唾液があふれてくる。食べ物を見ると出る唾液。甘い物、辛い物、酸っぱい物。味の異なる物によって出る量は違うのか
▼小学生のころ、湧いた疑問を夏休みの自由研究の題材に選んだ。笑われたか、怒られたか。評価は覚えていない。だが、リポートにまとめると、それなりの達成感を得たことを覚えている
▼１２日付と３０日付の紙面で新報サイエンスクラブに参加する小中学生の研究を紹介している。海水で豆腐作り。植物の葉は熱や紫外線を防ぐのか。目の付けどころが面白い研究ばかりでまとめが楽しみだ
▼清邦彦さん編著の「女子中学生の小さな大発見」が面白い。万歩計を着けて寝たら朝までに１２歩歩いていた。カタツムリの殻を取ってナメクジになるか調べようとしたが取れなかった。自由研究の題材になりそうなものから笑えるものまでさまざまだ
▼発想の豊かさに感心するとともに、ふと湧いた疑問をそのままにせず、確かめる行為に尊さを感じる。東京新聞提供の２７日付「こちら特報部」では「宿題代行業」を取り上げた。自由研究も代行するかは分からないが、せっかくの機会がもったいない
▼自由研究ができるのは夏休みだけではない。「なぜだ」「おかしい」という疑問を徹底的に調べることは大人になっても大切だ。子どものうちに養いたい。
