<金口木舌>職業としての自衛官


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 1番人気は空港カウンターで働くグランドホステス、続いて臨床心理士に金融業界。作家の村上龍さん著「13歳のハローワーク」の公式サイトがまとめた8月の人気職業ランキングだ

▼公務員は手堅く5位にランクイン。変わったところでは暗号作成者が38位。どうしたら“就職”できるのか分からないが、アメリカ軍兵士が92位。新聞記者ではないが編集者は公務員に次いで6位と健闘している
▼参院で審議が大詰めを迎える安保関連法案でいま一番注目の職業ともいえる自衛官(陸自)は、同じ公務員でも78位。米兵よりは人気があるが、空自と海自もそれぞれ87、88位と振るわない
▼本年度の一般幹部候補生は前年度から減った。防衛大卒の任官辞退者も増えている。安保法制による自衛官のリスクの高まりが影響していると見る向きもある。危険に正面から向き合わないような政府答弁が続く。また順位はどう変わるか
▼安保法案をめぐり北海道の元自衛官は「間違いなく血が流れる」と反対を訴えた。県内の反対集会で、自衛官志望の高校3年生は「安保法案に絶対反対」とデモ行進に参加した。中央にはどう響いているだろう
▼関東・東北水害で自衛隊も救助で活躍した。先の高校生は「自衛官になりたいのは困っている人を救いたいから。戦争をするためではない」と志望動機を語った。いっそそういう組織がいい。