<金口木舌>真夏150日の時代に


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 ホット/ホッター/ホッテスト。タイの友人いわく、かの国の気候はこれらの三つしかない。つまりは、暑い/とても暑い/我慢できない

▼沖縄気象台が出した気象変動監視レポートを読むと人ごとと笑えない。今世紀末の2076年から95年までの沖縄地方の真夏日と熱帯夜は倍増、年間150日程度になるという。暖冬化も進み、海水温は上昇する
▼極端な気象災害が増えている。茨城県常総市での鬼怒川決壊による水害も起きたばかりだ。専門家は言う。構造物の強化などでどれだけ備えても、人智を超える災害は起きる。そのような災害は今後、増え続ける
▼「災害は忘れたころにやってくる」という時代は終わった。教訓を対症療法的なインフラ事業だけにとどまらせまい。暮らしの中でできることは多い。早期の住民避難を可能にする地域づくり、絶え間ない啓発、自然への畏れを忘れず勘を研いでおくこと。災害に対するもっと大きな視座を築くべきだとの声もある
▼それは暮らし方を考えることだ。極端な気象の背景に、便利と快適を求めて化石燃料に依存する私たちの生活が生んでしまった地球温暖化があることを忘れまい。そのつけは次代について回る
▼真夏が6月から10月まで終わらない時代がやがて来ようとしている。バスに乗る、歩いてみる。冷房を少し止めてみる。小さくても今できることがある。