石川県七尾市で2人が心肺停止 輪島市で大規模火災 建物倒壊で多数の通報 能登半島地震 (1日午後10時までの情報)


石川県七尾市で2人が心肺停止 輪島市で大規模火災 建物倒壊で多数の通報 能登半島地震 (1日午後10時までの情報) 石川県輪島市で発生した火災=1日午後7時23分(共同通信社機から)
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 1日午後4時10分ごろ、石川県志賀町で震度7の地震があり、北海道から九州にかけての広い範囲で揺れを観測した。気象庁は石川県能登地方に大津波警報を発表、午後8時半に警報に切り替えた。石川県の輪島港では1・2メートル以上の津波を観測した。

 警察庁によると、同県七尾市で2人が心肺停止になった。林芳正官房長官は家屋の倒壊などで生き埋めが6件あったと明らかにした。石川県では輪島市で大規模な火災が発生した他、ビルが倒壊した。家屋の倒壊も複数の自治体で起きた。新潟、富山、福井の各県などでけが人が出た。

 各地の自治体などによると、石川県輪島市で鮮魚店などが集まる「輪島朝市」付近で複数の住宅が崩れて火災が発生。複数の自治体で建物が倒壊したとの多数の通報が消防に寄せられ、人が閉じ込められているとの情報もある。けが人は同県の羽咋市、志賀町で計7人、富山で15人、福井で5人、新潟は2人。石川県内では約3万2千戸で停電した。

地震で倒壊した家屋=1日午後4時36分、石川県輪島市

 気象庁は「令和6年能登半島地震」と命名した。震源は石川県輪島市の東北東30キロ付近で、深さは暫定値で16キロ。地震の規模はマグニチュード(M)7・6と推定される。逆断層型で、能登地方で観測した地震としては記録が残る1885年以降で最大。建物の高層階を揺らす長周期地震動は石川県能登で最大の階級4を記録した。他にも東北から四国で広く観測した。

 避難指示の対象となったのは、秋田、福井、鳥取、福岡、佐賀の5県で計5万1千人超に上った。各地で避難所が開設され、多数の住民らが避難した。輪島市の航空自衛隊輪島分屯基地では、約千人が避難した。

 津波警報や津波注意報は日本海側で発表され、北海道から九州の各地に津波が到達したとみられる。震度7の後も、能登で断続的に地震が続いた。国内で震度7は2018年の北海道地震以来。大津波警報が発表されたのは11年3月の東日本大震災以来。

 石川県で発生した地震について記者会見で説明する気象庁の担当者=1日午後6時17分、気象庁

 東北、上越、北陸新幹線の全線で一時、運転を見合わせ、高速道路は一部で通行止めとなった。

 原子力規制庁によると、新潟、石川、福井の各県にある原子力施設に異常は確認されていない。

 防衛省は石川県からの災害派遣要請に基づき、自衛隊の活動を開始した。政府は防災担当相がトップの特定災害対策本部を、首相官邸は官邸危機管理センターに官邸対策室を設置。国土交通省は災害対策本部、警察庁は特定災害警備本部を開設した。