能登半島地震、死者64人に 被害全容見えず 4日にかけて断続的に雨、土砂災害に警戒(3日正午現在)


能登半島地震、死者64人に 被害全容見えず 4日にかけて断続的に雨、土砂災害に警戒(3日正午現在) 津波の被害を受けたとみられる石川県能登町の白丸地区=2日午後1時36分(共同通信社ヘリから)
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 石川県などは3日、能登半島を震源とし同県志賀町で震度7を観測した能登半島地震の死者が64人になったと明らかにした。多数の建物が倒壊し生き埋めの情報があるものの、道路が寸断され救助活動は難航している。発生3日目でも被害全容は見えず、各自治体は住民の安否確認を続行。4日にかけ断続的に雨が降るとして、気象庁は土砂災害に警戒を呼びかけている。


 損傷した道路が多く、県の集計では七尾市、穴水町、能登町で計約60人が孤立。被害が大きい珠洲市や輪島市は調査中という。岸田文雄首相は官邸で記者団に、3日午前8時現在で救助要請が約130件あったと明らかにし、被災地で活動する自衛隊員を2千人規模に増強する考えを示した。

 各自治体は十分な支援物資の供給を政府や県に求めており、自衛隊ヘリコプターを活用した物資と人員の搬送などが進む見込み。陸路での物資搬送も進められている。珠洲市や能登町の沿岸部は津波でも住宅が被害に遭ったとみられ、人的被害が膨らむ可能性がある。

 1日の震度7はマグニチュード(M)7・6で、能登地方で観測した地震としては記録が残る1885年以降で最大。3日も震度5強を観測するなど、断続的に地震が続いた。

 政府は3日午前、非常災害対策本部会議を官邸で開催した。岸田首相は「人命第一で救命救助活動に全力を尽くしてほしい」と述べ、物資の確保や電力、水道などの復旧にも全力を挙げるよう関係省庁に指示した。(共同通信)