指定難病「視神経脊髄炎スペクトラム障害」(NMOSD)について知り、当事者や家族がつながろうと、NPO法人「日本視神経脊髄炎患者会」(東京都、坂井田真実子理事長)は、このほど那覇市久茂地の富士通Naha Hubでイベント「みんなに会いに行く」(共催・中外製薬)を開いた。沖縄では初開催。医師による講演やオンラインを併用した全国の患者同士の交流会も開かれ、55人が参加した。
NMOSDは視神経や脊髄、脳の中心部に炎症を繰り返す自己免疫疾患。症状は視力低下や運動障害、感覚障害、持続するしゃっくりや吐き気、過眠症などがある。
2015年に診断基準が確立し、有病率は10万人に3~4人。患者数は全国で約6500人とされる。患者の90%が女性。発症平均年齢は40歳前後が多いが、小児から高齢者まで発症する。慢性進行はないものの、1回の発症が脳卒中のように重度なため、発作や再発を防ぐことが重要になる。
講演した大浜第一病院脳神経内科の城本高志医師は、患者の65.4%は慢性的な痛みがあるとする調査結果や、患者の39.8%(166例中66例)がうつ病に罹患(りかん)していたとするデータを紹介した。発症を防ぐための手立てとして適度な運動や十分な睡眠、バランスの取れた食事を取ることなどを上げた。
城本氏は「おかしいなと思ったらすぐに病院を受診してほしい。社会のつながりの維持やストレス管理も大切だ」と語った。
患者会は当事者同士のコミュニケーションや社会とのつながりを多く持つ機会をつくることなどを目的として21年に設立し、22年にNPO法人化した。会への問い合わせはメールnmosdjapan@gmail.com またはhttps://nmosd-japan.com/
(嶋岡すみれ)