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被災者支援に全力 首相 最大動員を指示 対策本部会議 自治体連携万全を


被災者支援に全力 首相 最大動員を指示 対策本部会議 自治体連携万全を 石川県能登地方を中心とした地震などについて取材に応じる岸田首相=2日午後、首相官邸
この記事を書いた人 Avatar photo 共同通信

 岸田文雄首相は2日、石川県志賀町で震度7を観測した能登半島地震を受け、官邸で開いた非常災害対策本部会議で「建物の崩壊などによる被害者は一刻も早く救出する必要がある」として救命、救助に全力を尽くすよう指示した。被災地の要望を待たない「プッシュ型支援」を活用し、食料など必要物資の確保、医療提供、インフラ復旧など先手の被災者支援に取り組むよう求めた。

 自衛隊、警察の広域緊急援助隊、消防の緊急消防援助隊に人員を最大限動員するよう指示。「被災自治体と連携し、支援に万全を期してもらいたい」と述べた。政府は建物倒壊に巻き込まれた被災者の捜索のため、救助犬の数を増やす方針だ。

 本部会議後、官邸で記者団の取材に応じ、被災地の道路が寸断されているとして、海路を通じた支援物資の輸送を本格化させると表明した。関係省庁の幹部を2日中に現地へ派遣。被災者の要望を踏まえた物資支援を行うのが狙いだ。

 林芳正官房長官は記者会見で、プッシュ型支援に関し「準備が整ったものから順次発送を開始した」と説明した。

 首相は記者団に、今後も震度7程度の地震が警戒されるとして、4日に予定していた三重県伊勢市の伊勢神宮参拝を延期すると発表。年頭会見は官邸で行う。自身の被災地入りに関しては「現地の状況を把握した上で適切に考える」と述べるにとどめた。被害状況に関する悪質な虚偽情報が流布しているとして「こうした行為は厳に慎んでほしい」と訴えた。

 首相は1日、早急に被害状況を把握するよう関係省庁に指示。松村祥史防災担当相をトップとする特定災害対策本部をいったん設置し、夜になって自らが本部長を務める非常災害対策本部に格上げした。石川県輪島市の坂口茂、同県珠洲市の泉谷満寿裕両市長と電話し、物資が不足している厳しい状況を聞き取った。

 自衛隊は石川県の馳浩知事からの要請を受け、現地で活動を開始。災害対応を担う村田隆内閣危機管理監は体調を崩して入院中で、官邸を不在にした。

(共同通信)