バスケットボールの全国高校選手権最終日は29日、東京体育館で福岡県勢対決となった男子決勝が行われ、福岡第一が福岡大大濠を63―53で下し、4大会ぶり5度目の優勝を果たした。両チームが決勝でぶつかるのは2019年大会以来、2度目。福岡第一はガードの崎濱秀斗(北中城小―西福岡中出)を中心に厳しい守備から素早い攻撃に転じ、前半で38―14とリード。後半は守備の強度を上げた福岡大大濠に点差を詰められたが、逃げ切った。崎濱秀斗が両チーム最多の18得点だった。
現日本代表ガードの河村(横浜BC)を擁し、2連覇を達成した2019年以来の冬のタイトル獲得だ。福岡第一は伝統の「堅守速攻」がさえ、4年前の決勝と同じ、福岡大大濠との大一番を制した。大型で「個」の力に優れる同県のライバルに、磨き上げた連係で対抗。前半わずか14点に抑え込んで主導権を握り、井手口監督は「最高のディフェンスだった」とうなった。
16―9で迎えた第2クオーター。敵陣深くから「伝家の宝刀」のプレスディフェンスを仕掛けてミスを誘発した。自陣に戻っても相手の206センチのエース、渡辺を厳しくマークし、仕事をさせない。ボールを奪うと、次々と速攻を繰り出して勢いづく。14点連取や、森田、崎濱秀斗の連続3点シュート成功などで、このクオーターで22―5と圧倒した。
9月のU18トップリーグの福岡大大濠戦で、大黒柱の崎濱秀斗が左足を骨折。しかし、エースはアクシデントにもへこたれなかった。誰よりも早く個人練習に向かう姿を見た仲間は「自分たちも負けられない」(山口主将)と一丸になったという。4年前とは違い、河村ほどの突出した選手はいなかった今年のチーム。個々の力が結集してつかみ取った頂点だった。
▽男子決勝
福岡第一
63―53(16―9,22―5,14―15,11―24)
福岡大大濠
福岡第一は4大会ぶり5度目の優勝
選手に「ありがとう」
福岡第一・井手口監督の話 (決勝は)選手の勝ちたいという気持ちが出ていた。初戦から厳しい組み合わせで、正直いつ負けるのかなと思っていた。何度も出ているが、こんな気持ちで臨んだのは初めて。選手に「ありがとう」と言いたい。
(共同通信)