4年ぶりのリーグ優勝と日本一へ。ソフトバンクの小久保新監督は「チャレンジャーとして、打倒オリックスでやるしかない」と闘志を燃やす。パ・リーグ3連覇を果たした宿敵は今季も君臨。高い壁を乗り越え、頂点を目指す戦いが始まる。
昨季は15・5ゲームもの大差をつけられ3位と、全員が悔しさを味わった。本塁打王と打点王に輝いた近藤や最多安打の柳田ら能力が高い選手は多いものの、2017~20年に4年連続日本一を成し遂げた強さはない。新監督は「われわれは常勝チームじゃない。王者ではないというマインドにならなければ」と意識改革を訴える。
返り咲きへ今オフも戦力補強は進んだ。泣きどころだった右の長距離打者には、西武からフリーエージェント権を行使した山川を獲得した。通算218本塁打を誇る強打者は「自分のできることをやって、勝利に貢献したい」と意気込む。巨人とのトレードで、実績のあるウォーカーも加入した。
一方の投手陣は先発の整備が急務だ。新監督が開幕ローテーション入りを明言したのは、ベテランの和田と昨季10勝した有原のみ。最多勝に輝いたことのある石川と東浜の復活に、昨季開幕投手の大関や板東らの台頭は欠かせない。育成に定評のある倉野投手チーフコーチの復帰は、チームの底上げに心強い存在となるだろう。
勝利とともに、ここ数年停滞する世代交代の促進も求められる。2年間2軍を率いて、若手の特徴を把握する小久保新監督は「ある程度我慢しない限りは育たない。使おうと思わせるものを、2、3月に見せてほしい」と期待を寄せた。
小久保監督一問一答 主力が手本のチームを
常勝軍団復活を託された小久保新監督に、意気込みを聞いた。
―就任して日々どのようなことを意識する。
「監督の仕事とは何か、マネジメントをどうするかばかり考える」
―どんなチームづくりをしたいか。
「主力が手本になるチームをつくる。勝利を目指すのは当たり前で、そこへ向けて個人が少しでも美しさを持つようになればいい」
―1~4軍までの大きな組織を束ねる。
「一番の仕事は2、3、4軍の首脳陣と連携を取ること。しっかりと縦でつながり、いいものはいい、悪いものをいち早く修正できるのが理想」
―主力の柳田に期待すること。
「全試合に出れば昨年のような成績が残ると思う。今まで通りチームを引っ張ってほしい」
―リーグ3連覇を果たしたオリックスの印象。
「山本が(米大リーグのドジャース入団で)抜けても宮城、山下、東もいる。投手陣がいい」
―過去2年はあと一歩のところで涙をのんだ。
「決めたことをちゃんとやること。勝敗は時の運。その運をつかむために、普段の振る舞いや細かいところが大事」
―読書家だが、最近読む本は。
「今は小説ばかり読んでいる。シーズン中は選手の前で話すことが多いので、言葉を探すために自己啓発本が多い」
(共同通信)