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移民した曾祖父の情報提供呼び掛け、ルーツ探す ボリビアの4世オオシロさんとトウヤマさん 戸籍復活求め、支援する城井さん調査 沖縄、宜野座


移民した曾祖父の情報提供呼び掛け、ルーツ探す ボリビアの4世オオシロさんとトウヤマさん 戸籍復活求め、支援する城井さん調査 沖縄、宜野座 阿波連宗順さんを訪ね、情報提供を呼びかける城井香里さん(右)=1月20日、宜野座村のあはれん牧場物語
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【宜野座】ボリビア在住の城井香里(きいかおり)さん(福岡県出身)が、このほど来沖し、100年以上前に移民としてペルーに渡った移民1世の大城盛良さん=旧玉城村(現南城市)出身=、當山牛さん=読谷村出身=に関する情報収集を行った。昨年、琉球新報に掲載されて親族が見つかったボリビア日系人のヘンザン・マツノ・キクノさんのルーツ探しの際に、紙面で情報提供を呼びかけた宜野座村の阿波連宗順さんを訪ねた。

 城井さんは2014年から海外青年協力隊を縁にボリビアに移住し、現在も環境問題や人道支援に取り組む傍ら、日系人のルーツ調査、戸籍の翻訳を行う。協力隊を通じて知り合った大城さんと當山さんのひ孫で、日系4世となるオオシロ・ユキコさんとトウヤマ・エスメラルダさんより「沖縄の親戚を探して、沖縄戦で焼失した曽祖父の戸籍を復活させたい」との要望を受けた。

ボリビアから情報提供を求める、日系4世のトウヤマ・エスメラルダさん(提供)
ボリビアから情報提供を求める、日系4世のオオシロ・ユキコさん(提供)

 戸籍が復活すれば4世のユキコさんやエスメラルダさんが日系ビザを取得でき、日本に長期滞在、就学、就労できる可能性が広がる。2人が日本語を話せないため、日本で市役所職員だった城井さんが戸籍の知識を生かして協力する。

 大城さんと當山さんはそれぞれ1906年、07年に横浜港を経由してペルーへ渡航。ペルーでの労働の過酷さから移住先の農場を脱走した。開拓地のあっせん会社によりパスポートが管理されていたと考えられる。資料にはその時の脱走者は91人と残っている。アンデス山脈も越えてボリビアに密入国。そしてボリビアで自身の身分を証明する物がないまま生涯を終えた。

 戸籍の復活にはパスポートの原本があることが一番だが、1世紀近く前のことであり、パスポートの再発行は不可能。城井さんは資料をそろえ役所に提出したが、まだ資料が不足しており、どうしても親戚関係を探し出す必要があるという。

 情報提供は城井さんのメールkiikiipappa@gmail.comまで。

(池辺賢児通信員)