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【動画】32軍司令部壕、内部映像を公開 牛島司令官の孫・貞満さんが本紙に提供 「沖縄戦の悲劇を語り非常に重要」


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壕内のトロッコ跡=1997年8月、調査DVD映像から

 75年前、沖縄戦で日本軍を指揮した第32軍牛島満司令官の孫、牛島貞満さん(66)=東京都=が、1997年8月に首里の32軍司令部壕に入った時の映像を公開した。牛島さんは「32軍司令部壕の内部を映し出しており、司令部壕をめぐる戦跡保存にとって大切ものだと考えている。多くの方に見ていただき司令部壕の公開保存に役立つようにしたい」と語った。

 司令部壕のイメージがわかりやすいよう、牛島さんが動画に地図や説明を補足し伝わりやすくしている。牛島さんは日本軍が南部撤退を決めた場所でもある32軍司令部壕について「沖縄戦の悲劇を語る上で非常に重要だ」と語っている。

壕内で見つかったシャベルを手にする牛島定満さん=1997年8月、調査DVD映像から

 1945年5月、司令部壕が置かれた首里は米軍の総攻撃で壊滅的打撃を受け、32軍は組織的戦闘能力を失った。首里で降伏せず「南部撤退」を命じたのは、本土決戦準備の時間稼ぎのためだった。その結果、南部に避難していた住民を巻き込み、多大な犠牲を出した。首里が陥落した5月に日本軍の戦闘が終われば多くの住民の命は助かった。住民の命より日本軍の戦略的方針を優先した結果が沖縄戦の悲劇を引き起こした。