米軍普天間飛行場の移設に伴う沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、県が国を相手に新たな訴訟を提起したことについて玉城デニー知事は7日午後、県庁で記者会見を開いた。玉城知事は「多くの県民の付託を受けた知事として、ぶれることなく辺野古新基地建設に反対するという民意に添い、県民の強い思いに全身全霊で応えていく」と述べ、強い決意を示した。
今回の抗告訴訟では、県の埋め立て承認撤回の効力を止めた国土交通相の決定(裁決)取り消しを求めている。玉城知事は会見で「国の機関である沖縄防衛局長が私人になりすまして審査請求を行い、審査長となり得ない国土交通大臣が裁決を行ったことは違法だ」と改めて国の違法性を指摘した。その上で「辺野古埋め立て事業は軟弱地盤や活断層など数多くの問題点がある。県はこれら問題点を理由に適法に埋め立て承認を撤回したものであり、撤回を取り消されるいわれはない」と述べ、県が行った埋め立て承認撤回の適法性について県の正当性をしっかり訴えていきたいとの考えを示した。
先に県が国の関与取り消しを求め提起した訴訟では、玉城知事が意見陳述に立つことを明らかにした上で、玉城知事は、今回の訴訟でも「裁判所に意見陳述の機会を求めていきたい」と述べた。
一方で玉城知事は「対話によって解決策を求める民主主義の姿勢を粘り強く訴え、辺野古新基地建設阻止、普天間飛行場の運用停止を含む一日も早い危険性の除去を求めていく」と述べ、対話によって解決を目指したいとの考えを強調した。
今回の訴訟と併せて国交相の裁決の執行停止を申し立てることはしないと説明した。その理由について会見に同席した松永和宏弁護士は「軟弱地盤や活断層の問題など中身に踏み込んだ実質審議をしてほしい。県としてしっかり充実した審議を求めていくという判断をしたと理解している」と述べた。