翁長雄志知事は26日、県庁で高橋博美第11管区海上保安本部次長、小林稔県警警備部長と相次いで面談し、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設に伴う警備活動で、新基地建設に反対する市民らにけが人が出ていることに抗議し、警備に当たってけが人を出さないよう申し入れた。
翁長知事は両氏に対し「大変憂慮している。県民の安心安全を守ることを最優先にしてほしい」と求めた。県知事が基地問題に関する市民の抗議を規制する警察機関に対し、抗議と申し入れを行うのは異例。
翁長知事は面談後、報道陣に「県民の熱い思いが抗議行動に表れている。最大の配慮をして、不測の事態が絶対に起こらないようにしてほしい。(これから)変わっていくと期待している」と話した。
11管の高橋次長との面談は非公開で、県警の小林警備部長との面談は冒頭以外は非公開だった。県によると、11管、県警側から「警備上の理由」として非公開の要請があったという。11管からは「職員の安全」も理由に挙げられた。
翁長知事によると、新基地建設に関する警備でけが人が出ていることに、11管と県警はそれぞれ「適切な警備をしている」と述べたという。
翁長知事は小林警備部長との面談の冒頭、昨年11月の県知事選で辺野古の新基地建設反対を訴え当選したことを説明。「県民36万人の思いが込められた抗議行動だ。この事実を心掛けて職務をしてほしい」と要請した。これに対し小林警備部長は「(現場では)時には危険で、さらに違法ともいえる状態がたびたび発生している。一般の交通にも大きな影響を与えている。違法状態が解消されない場合は必要最低限の範囲で規制を行っている」と述べた。
高橋次長と小林部長は面談後、報道陣の質問にほとんど答えず立ち去った。高橋次長は「詳細については答えられない」と述べるにとどまった。