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沖縄芝居にぎやかに 国立劇場 「割符」「浦島」上演


沖縄芝居にぎやかに 国立劇場 「割符」「浦島」上演 「割符」を持って踊り見つめ合うウトゥミ(中央左・廣山えりか)と若按司(中央右・兼島翔子)=9月15日、浦添市の国立劇場おきなわ
この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子

 国立劇場おきなわの沖縄芝居観賞教室「割符(わいふ)」(具志幸大演出)が9月14~16日、浦添市の同劇場であった。沖縄芝居に広く親しんでもらおうと、「シンデレラ」や「浦島太郎」を沖縄芝居にして上演した。沖縄芝居の歴史の解説のほか、まわり舞台や奈落などの舞台装置も存分に使われ、にぎやかな公演となった。15日に取材した。

 シンデレラを元にした「割符」は伊良波尹吉作。義理の母(古謝渚)や姉の真加戸(奥平由依)、真玉津(仲宗根朝子)にいじめられる、ウトゥミ(廣山えりか)は、神(入福浜天乃)の力で若按司(兼島翔子)の妻を選ぶ「御妃調べ」に行くことに。ウトゥミは神から授かった割符を若按司に渡して共に踊り、夕方の鐘に慌てて帰る。若按司は残された割符を頼りにウトゥミを探し出す。

 ガラスの靴に見立てた「割符」は、木片に文字をしるし2つに分けたもの。取引の当事者を示す証拠となる道具だ。姉たちや若按司の親代わりである高志保大親(髙井賢太郎)のコミカルなやり取りも沖縄芝居らしく、楽しかった。

 浦島太郎を元にした舞踊劇「浦島」は初代玉城盛義の原案による。乙姫たちの踊りや回り舞台の演出も相まって、観客を竜宮城へいざなった。

(田吹遥子)