2023年度第48回全国伝統的工芸品公募展(伝統的工芸品産業振興協会主催)の審査がこのほど行われ、永吉剛大さん(45)=豊見城市=の琉球びんがた振り袖「雲に椿牡丹」が最高賞の内閣総理大臣賞を受賞した。県内からの受賞は19年ぶり。来年1月18日、東京で授賞式が開かれる。
永吉さんは紅型制作に携わって23年。受賞作品は、鎌倉芳太郎が所有していた型紙集の中の古典柄を使って制作した。色見本もないため、色鉛筆でサンプルを作りながら試行錯誤を重ねて完成させた。「紅型の元々の色彩である黄色をベースに振り袖にして表現した。今後も勉強を積み重ね、多くの人に着物を着てもらえるように制作を続けたい」と語った。
ほかにも県内からは、與那覇佳栄子さんの紅型半染地帯「くるみ割人形」が若手奨励賞を受賞した。
同公募展は、伝統的な技術・技法に現代的な新しいアイデアを取り入れた伝統工芸作品を公募・展示している。今回は全国から143種類の工芸品235点の応募があった。受賞作品は22日から来年1月11日まで、東京都の伝統工芸青山スクエアで展示される。
(與那覇裕子)