ドイツ・フランクフルトで2日まで開催中の日本映画祭「ニッポン・コネクション」。今大会では、県出身の写真家、石川真生さんを追ったドキュメンタリー「オキナワより愛を込めて」(砂入博史監督)の上映や、カルチャー部門では県内を拠点に活動するミュージシャンjujumoのライブパフォーマンス、切り絵作家・新川美千代さんの切り紙ワークショップなどが開催された。今年で24回目を迎える世界最大級の日本映画祭で、沖縄関連の作品や才能の発信を仕掛けているのが、沖縄の文化・芸術に関わるバイリンガルコーディネートを手掛けるESM Okinawaの内間直子さんだ。
内間さんは約15年にわたる英ロンドン滞在中に、写真とアートを学んだ。前職の沖縄観光コンベンションビューロー沖縄フィルムオフィスに勤めていた際に現地関係者などとネットワークを築き、2014年から継続して同映画祭で沖縄関連プログラムを紹介している。これまでに沖縄民謡の堀内加奈子さんや新垣睦美さんのライブパフォーマンスや、ダニエル・ロペス監督による映画「カタブイ」「ウムイ」などの上映を実現させた。映画祭の現地スタッフの沖縄訪問を受け入れたり、新型コロナ禍では在沖ドイツ人の協力を受け現地へ向けたオンラインレクチャーを開催したりと、草の根交流を続けてきた。
23年にはEUジャパンフェスト日本委員会の渡航支援プログラムを受けて6年ぶりに訪れたフランクフルトで、これまでの沖縄とフランクフルト間における10年の文化交流を振り返るレクチャーを実施し、現地映画祭関係者とのネットワークを再構築した。
内間さんは「この映画祭が、沖縄から世界の舞台へチャレンジする人たちのプラットフォームとして人材育成にも役立っている」と強調する。沖縄にはまだまだ未発掘、未開拓の若い才能がたくさん眠っていると指摘し、「今後は若い世代に向けた文化講座や、留学の道筋をつくる支援などもやっていきたい」と次なる目標を掲げた。
(当銘千絵)