茶道の専門誌で、「茶のあるくらし」を提案する月刊誌「なごみ8月号」(淡交社)が1日に発行された。「沖縄、染織紀行」と題して約40ページにわたり特集している。高温多湿な南国の島で独自の進化を遂げた沖縄の染織物の魅力や多様性を多角的に紹介するほか、新たな可能性を探っている。
巻頭企画は「沖縄きものをドレスコードにすること」を提唱した、裏千家正教授・大城宗敦さんによる茶会の様子を報告。識名園で開かれた茶会には、宮古上布や八重山上布、琉球絣など、思い思いのきものと帯をまとう参加者が集う。大城さんは、多くの人が普段のお茶会に参加する際には正絹の色無地をまとうが、シチュエーションに応じて伝統的な決まりごとは踏まえた上で、自分らしい装いで茶席を彩る楽しさを提案している。
人間国宝・祝嶺恭子さんへのインタビューも収録している。
「なごみ」編集長の宮﨑博之さんは「沖縄の優れた染織文化を紹介し、茶道の世界でも生かせるように新たな提案を盛り込んだ意欲的な企画」だとし、多くの人に手にとってほしいとPRした。定価990円。県内書店や淡交社オンラインショップから購入できる。
(当銘千絵)
「なごみ8月号」の刊行記念イベントが12日午後3時から、那覇市のジュンク堂書店那覇店地下1階イベント会場で開かれる。第1部のトークイベントは同誌写真担当者や茶道裏千家正教授の大城宗敦さんが出演するほか、大島紬保持団体代表の桃原禎子さんもオンライン出演する。第2部は大城さんによるお茶会が開かれる。トークイベントは観覧無料、お茶会は要菓子代500円。