那覇市の桜坂劇場で公開中のドキュメンタリー映画「劇場が終わるとき」の舞台あいさつが9月21日、同劇場で行われ、真喜屋力監督と主演の写真家・石川真生が登壇した。
同作は、2023年に解体されるまで県内に現存する最古の映画館だった首里劇場が舞台。解体を控えた首里劇場や解体された日の写真を撮影する石川を追った。撮影時の思いや映画の印象などについて石川が独特の語り口で話し、真喜屋監督とのユーモアたっぷりのやりとりを交え、会場は笑いや共感に包まれた。
壇上でマイクを向けられた石川は「こんなに素晴らしい映画を撮る人が沖縄にいることは幸せ。この映画に出られたことがすごく名誉だと思う。うれしい」とたたえた。その上で「こういう映画は残すべきだと思う。本当は首里劇場も残してほしかった。残念でならない」と惜しんだ。
「劇場が壊れるまでは撮ろう」と決めていた真喜屋監督。石川は被写体として役者や歌手、成人映画の女優・監督、踊り子らを被写体として招き、劇場を舞台に写真を撮影した。
真喜屋監督は石川について「自分でアプローチを探してくれるぐらい試行錯誤してくれた」と感謝した。「撮影はとても楽しかった。建物だけ撮っても人がいないと魅力が伝わらない。真生さんみたいな、あくの強いキャラがいたおかげで引き立ったと思う」と実感を込めた。
(古堅一樹)