県内で9月に開催された子牛競り7市場の平均価格の速報値は、前月比6611円(1・6%)減の41万3398円(税抜き)となった。平均価格下落の要因としては、購買者の減少や飼料高などによる牛の増体重不足などがあるという。県内の繁殖農家からは「今、農家に必要な支援は止血ではなく輸血だ」と緊急支援を求める声も上がっている。
JAおきなわによると、黒島市場(竹富町)では、和牛の需要減で購買者が減少し、競り価格が上がりにくい状況だった。
また南部市場(糸満市)などでは飼料高などで子牛の増体重が不足し、価格が低くなる傾向があったという。
現在の子牛市場では、日齢1日当たり1キロ以上の体重増加が求められているが、今回の県内競り市場では半数以上が1キロを下回ったという。
JAおきなわの前田典男理事長は「補助金などの支援に合わせ、根本を改善する支援も必要だ。農協や生産者だけでは太刀打ちできない状況になっている」と述べた。
県内子牛価格は4月から下落を続け、過去10年で最低の価格となっている。県や国の補助金制度が発動しているが、繁殖農家には依然厳しい状況が続いている。 (福田修平)