中南米の日系社会と連携した経済活動の促進を目指す国際協力機構(JICA)の派遣事業で、県内の中小企業8社でつくる調査団が9月23日から、ペルー、ボリビア、ブラジルの3カ国を訪問先に現地の関係機関や企業と交流する活動に取り組んでいる。派遣事業は10回目で、県内の企業だけで調査団を組織するのは初めて。各企業は精力的に商談を重ねるなど新たな海外展開で商機につなげようと力を入れている。
参加しているのは、農業生産法人アンデスファーム(金武町)、EFポリマー(恩納村)、HPC沖縄(浦添市)、沖縄映像センター(那覇市)、かねひで総合研究所(同)、那覇青果物卸商事業協同組合(同)、トマス技術研究所(うるま市)、リュウクス(同)。
調査団は9月25~27日にペルーで行政や貿易機関、大学などを訪問した。同月28日には県系人が開墾した行政区「オキナワ」があるボリビアに移動し、国際見本市や商談会に参加。自社の製品をPRしたり、双方向の事業の可能性を探ったりした。30日から2日間はオキナワを訪ねるなど県系人を中心に交流した。10月3日からはブラジルで活動。政府主催のビジネスマッチングセミナーへの参加や企業訪問などで経済連携を模索した。
JICA沖縄市民参加協力課の上原由美子さんは「現地では、日系や県系の方々が沖縄とのビジネスに高い関心を示している。各企業の調査は順調だ。商談の場では、名刺を渡す瞬間から互いに沖縄のルーツについて話が弾む様子が印象的で、ウチナーンチュとしてのつながりの深さを実感している」と双方向のビジネスのきっかけになることを期待した。
最終日の7日(現地時間)まで、地方都市の現地企業、日系団体、政府機関などの訪問を予定している。
(謝花史哲)