東京商工リサーチ沖縄支店は5日までに、2023年度の賃上げに関する県内アンケート調査結果を発表した。有効回答47社のうち91・49%に当たる43社が23年度に賃上げを実施したと回答した。同支店は「景気回復が鮮明となる中で人手不足が顕著となり人材流出防止なども目的に多くの企業が賃上げを実施している」と分析した。
8月1日から9日にかけて実施したインターネットによるアンケート調査の回答を集計した。産業別では建設業の16社が最多で、卸売業の9社と続いた。
実施した企業(予定も含む)のうち、複数回答で「定期昇給」が29社でも最も多く、「ベースアップ」27社、「賞与(一時金)の倍額」13社と続いた。
賃上げ率に関する設問では27社が回答し「3%以上4%未満」が最多の9社だった。次いで「2%以上3%未満」と「5%以上6%未満」各5社となった。
同支店は、物価高騰の中で売り上げと利益の拡大を実現できないままの賃上げに「資金繰りの悪化につながりかねない。企業は業務効率化など一層の業績向上が求められている」と指摘した。(謝花史哲)