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県産カラスミ、シチリアの味に イタリアンレストラン「BACAR」 マグロの卵活用、那覇に加工場


県産カラスミ、シチリアの味に イタリアンレストラン「BACAR」 マグロの卵活用、那覇に加工場 県産カラスミを使用した加工商品の試作品(提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 普天間 伊織

 那覇市久茂地のイタリアンレストラン「BACAR(バカール)」が、県産マグロの卵巣を使った「ボッタルガ(カラスミ)」の加工場を那覇市若狭に建設する。クラウドファンディングで資金を集め、現在までに約950万円を調達。今月着工し、2024年10月に完成予定。仲村大輔代表は「これまで注目されていなかったマグロの卵にスポットを当て、新たな市場を開拓する」と意気込む。

 仲村代表らは今年5月にイタリアのシチリア島を視察訪問した。カラスミは一般的にボラの卵を使用するが、シチリアでは本マグロの卵巣を塩漬けにして作る。レストランだけでなく一般家庭でも多く使われる食材で、台湾などアジアでも需要が高まっている。

 沖縄県は日本有数のマグロ漁獲量を誇るものの、卵巣が市場に並ぶことは少なく、県産カラスミの商品開発による6次産業化で新たな付加価値を生み出すことも期待される。

沖縄県近海で獲れたマグロの卵巣を使用して作られた県産カラスミ(提供)

 カラスミの加工には瑞泉酒造の泡盛や泰石酒造の日本酒など県産素材を主に使用。加工場完成後は年間350キロの出荷を見込む。業務用だけでなく家庭用のパウダーなども製造し、土産品やギフトとしての展開も視野に入れている。

 マグロの血合を使ったマヨネーズなど卵巣以外の部位を活用した商品の試作も同時に始めている。仲村代表は「県産マグロの新たな価値を見いだし、高めていきたい。県産品として県外、海外に広くアピールする」と語った。

 (普天間伊織)