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屋部土建、琉銀から3000万円以上の環境融資 再生エネの電源で工事のCO2削減


屋部土建、琉銀から3000万円以上の環境融資 再生エネの電源で工事のCO2削減 新たな融資の仕組みで、脱炭素社会の実現を目指すことを確認した(左から)琉球銀行の菊地毅常務、屋部土建の長山博明専務、沖縄電力の城間俊人執行役員法人営業部長=23日、浦添市
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 屋部土建(名護市、仲座義人社長)は23日、高い目標値で持続可能な社会の実現を目指す企業を対象に、3千万円以上を融資する琉球銀行の新たなローンの第1号案件として資金調達を実施したと発表した。金額は非公表。再生エネルギーを組み込んだ沖縄電力の供給メニューを活用し、CO2の大幅な排出削減に取り組む。同日、浦添市内で会見した3社は、今回の事例をきっかけに「県内で脱炭素の取り組みが広がっていってほしい」と期待した。

 屋部土建は昨年4月から、木質バイオマス混焼や太陽光発電など沖縄電力の再生エネルギー電源を生かした「うちな~CO2フリーメニュー」を取り入れ、現在は33件の工事現場に導入しているという。導入によって年間約429トンのCO2排出量削減を見込んでいる。

 琉銀が9月に発表した新商品「りゅうぎんサステナビリティ・リンク・ローン」はSDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境・社会・企業統治)の取り組みの高度化を図る企業に融資し、具体的な目標数値を達成した際に金利を引き下げる仕組み。

 融資を機会に「2030年までに再生可能エネルギーの導入比率60%」を目標に掲げる屋部土建の長山博明専務は「従業員や取引先の環境意識の向上につなげたいという思いだ。エネルギー効率の高い機器の導入など再エネ調達を拡大していく。脱炭素経営を通して持続可能な成長を目指していきたい」と話した。

 (謝花史哲)