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済州と沖縄 DX強化協力 韓国の財団、サンクスラボ視察


済州と沖縄 DX強化協力 韓国の財団、サンクスラボ視察 担当者の説明に耳を傾けるJCCEIのイム・ワン理事(左から4人目)とイ・ビョンソンセンター長(同5人目)=8日、那覇市のサンクスラボ
この記事を書いた人 Avatar photo 普天間 伊織

 韓国の財団法人済州創造経済革新センター(JCCEI)のセンター長や職員らが8日、視察のため沖縄に到着し、那覇市のサンクスラボ(村上タクオ社長)を訪問した。JCCEIは、陸上水槽にセンサーを取り付けて水温や塩分濃度などを測定しながら安定的にサンゴを養殖するほか、水槽洗浄などで積極的に障がい者を雇用するサンクスラボのノウハウを済州島の環境保全や障がい者雇用の取り組みを見学。DX(デジタルトランスフォーメーション)の強化に向け協力する考えを示した。

 沖縄視察は沖縄ITイノベーション戦略センター(ISCO)と連携し、済州島と沖縄県のスタートアップ支援に共同で取り組むことが目的。

 IT技術を駆使したサンゴ養殖に取り組むサンクスラボの村上社長は9月に済州島を訪問し、事業内容を紹介。韓国でも課題となっているサンゴの保全などについて、互いの持つ技術とネットワークを持ち寄って解決に取り組む決意を固めた。村上社長は「今後、済州島でのサンゴ育成や韓国企業との連携など韓国での市場拡大を図りたい」と述べた。

 JCCEIのイ・ビョンソンセンター長は「済州島は韓国最南端の島で基幹産業は観光だ。気候や文化だけでなく、スタートアップ支援に力を入れている点でも共通している。互いの技術や人材を活用し、協力して課題解決に取り組みたい」と述べた。

 JCCEIセンター長のイ・ビョンソン氏らはそのほか、琉球大学などを訪問し、学生らと意見交換した。

(普天間伊織)