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次世代型太陽電池の予約販売を開始 沖縄CO2削減推進協 薄く軽量のペロブスカイト、日射少なくても発電


次世代型太陽電池の予約販売を開始 沖縄CO2削減推進協 薄く軽量のペロブスカイト、日射少なくても発電 ガラス基板のペロブスカイト型太陽光電池の予約販売を始めた沖縄CO2削減推進協議会の瑞慶覧長臣会長(中央)、知念勇喜事務局長(右)、モリベニの中村英樹社長=9日、南城市内
この記事を書いた人 Avatar photo 當山 幸都

 二酸化炭素の排出削減支援に取り組む一般社団法人・沖縄CO2削減推進協議会(那覇市)が、次世代の太陽電池として期待されるペロブスカイト型太陽電池の予約販売を始めた。ペロブスカイトは桐蔭横浜大の宮坂力特任教授が開発した技術で、従来のシリコン型太陽電池に比べ安く軽量で、薄くて曲げられることなどから注目されている。

 協議会によると、折り曲げられるフィルム基板は製品の効率安定性や施工方法が確立されておらず、ガラス基板の製品を取り扱う。建物の屋上やカーポート、防火認定が不要な場所での利用を想定している。

 量産では中国が先行している。協議会は輸入販売業のモリベニ(那覇市)から中国製のガラス基板のペロブスカイト型太陽電池を仕入れる。同社の中村英樹(朱蘇建)社長は中国出身で、琉球大学に留学経験があり、日本国籍を取得している。中国のペロブスカイト型の生産工場に投資しており、日本の大手メーカーに先駆けて販路を整えた。

 ペロブスカイトは発電効率が高く、日射の少ない日や影になった場所でも発電できる。

 協議会では長さ1・2メートル、幅60センチの製品を1枚当たり3万9千円で扱う。まとまった量で仕入れるため、注文を受けて合計枚数が1千枚に達するごとに発注する。

 協議会の瑞慶覧長臣会長は「製造過程のCO2排出量も少ない。主に企業や自治体向けに展開し、広げていきたい」と話した。問い合わせは同協議会098(863)5745。

(當山幸都)