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「デジタル診察券」で利便性向上 LINEで予約、受け付け業務も効率化 T&Cテクノロジーズ(那覇市)が開発


「デジタル診察券」で利便性向上 LINEで予約、受け付け業務も効率化 T&Cテクノロジーズ(那覇市)が開発 デジタル会員証のイメージ(提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 普天間 伊織

 ソフトウェア開発などを手掛けるT&Cテクノロジーズ(那覇市、與那嶺一貴社長)は、主に医療施設向けのLINE(ライン)公式アカウント活用サービスを新たに開発した。LINE上で管理できるデジタル会員証を診察券として活用することで患者の情報管理が容易になるという。患者は病院の空き状況を事前にLINE上で把握し、そのまま予約できることから病院側と患者側の双方の利便性向上が見込まれる。11月から県内の病院でデジタル診察券の実証実験を行っており、今後、本格展開する予定だ。

 クリニックなどで公式アカウントを開設し、予約が取りにくい、待ち時間が長いなどの医療施設の課題をデジタル技術で解決する。患者の利便性向上と医師や受付スタッフの業務効率化を図る。

 患者の来院時の受け付け業務も不要になり、窓口の業務負担軽減につながる。

T&Cテクノロジーズの與那嶺一貴社長=那覇市のT&Cテクノロジーズ

 患者は院内の混雑状況チェック機能で順番を確認できる。呼び出し通知機能の活用で待合スペースでの待機も不要になるという。通院履歴も保存されることから、健康管理や来院忘れ防止も期待される。また、診察券はLINE上にあるため、紛失トラブルも防ぐことができるという。

 同社はこれまでに那覇市や札幌市などの公式LINEプラットフォーム構築を通して、行政職員の業務効率化、負担軽減といった課題解決に取り組んでいる。自治体のDX(デジタルトランスフォーメーション)で培ったノウハウを民間企業でも生かす。

 開発を手掛けた同社の與那嶺社長は「コロナをきっかけに、待合スペースでの密状態や待機時間の長さなど医療施設の課題が見えてきた。テクノロジーの力で課題解決につなげたい」と話した。

(普天間伊織)